キャブレター大解剖「Par t 4 TMR & TDMR 編」
代はインジェクションに移りゆく昨今だが、まだまだキャブレターこそが全盛! パワーアップカスタムの要であるキャブレターを種類毎に解説しての第4回目! 今回はTMRとTDMRです!
ピークパワーは向上しつつ、扱いやすい!
TMRキャブが登場したのは1994年。今から24年前なので読者の中にはまだ生まれていないという方もいるのではないだろうか。24年たった今、時代はインジェクションに移り変わり、高性能キャブレターとしてリリースされるTMR&TDMRこそが最新式であり、そして今後もこれ以上のものが開発されることもないのではないだろうか…。
もともとはFCRの対抗馬として作られたものなので、FCRの弱点を補っているのは想像に容易い。特徴としてはスロットルバルブの肉薄化やシールリングによるメインボアのスムーズ化。それまでのTMキャブよりも軽量化させた上での加速ポンプの装着。その他にもハイパーノズルの採用やボールベアリングを使用したことで軽くなったスロットルバルブが特徴となっている。高性能キャブレターだけあって各種ジェットはもちろん、ニードルやジェット、バルブなどセッティングパーツが豊富にリリースされており、一度買えば、一生遊べると言っても過言ではないキャブレターの1つではないだろうか。
REAR FRONT

LEFT RIGHT


FCRとの相違点1

通称『Hノズル』と呼ばれるハイパーノズル。これはTMRのために開発された機構で、メインノズルに開けられた吐出開孔部からガソリンを吐出させる仕組みになっている。急なアクセル操作に対してのガソリンの流れの遅れを防いでくれる効果を発揮してくれる。霧化特性にも優れてる。
FCRとの相違点2

TMRのスロットルバルブ摺動部にはボールベアリングを5つ使用している。
FCRでもベアリングが入っているがFCRはボディ側と擦れる構造のため、大事なボディを削ってしまうことも(最悪はボディ交換に…)。TMRでは削れるのはスロットルバルブ側なので、スロットルバルブ交換で済むので経済的
(左)TDMR(ダウンドラフト)、(右)TMR(ホリゾンタル)

↓
あかおぎ鈴木さん

TMRのボディにはスモールとラージの2種類があって、両方ともシングルボディでスモールはφ28、φ32、φ34があり、ラージはφ36とφ40が一般的。マニアックなところではドカティ用のTDMRツインボディをバラして使うなんてこともあります。今回はニードルバルブの受け側のOリングを交換しなければならなくなるのでバラしませんでしたが、オーバーフローを起こすのはそこのOリングが原因だったりしますので、中古品を使用する場合は一度チェックしてみてください。

TMRを横型エンジンに付けるには

大きなTMRを横型エンジンの狭いスペースに装着するときの組み合わせをご紹介。スピゴットはキタコ製のTDMRφ32用(¥3,000/税抜)に変更して、同じくキタコ製のラバーホルダー PWKφ28 TMRφ28/32用(¥2,500/税抜)を使用。そしてGクラフト製の可変マニホールド(¥9,000/税抜)を使用するのがあかおぎ鈴木さんのお勧めです!
TMRをシャリィに付けるには

左がGクラフト製のモンキー用の可変マニホールドで、右側がキタコ製のシャリィ用。キャブレターが大きいだけに、フレームから大きく上に飛び出すような形に取り付けることになる。しかしカスタム好きにはTMRキャブが目立ってそれをむしろ良しとする人は多い。

シャリィの場合はフレームから飛び出すような形で取り付けることになるが、古い車体特有の誤差によってはフロートチャンバーの加速ポンプ側面がフレームに当たる場合も…。その場合はフレーム側を少し叩いて干渉を無くすなりの小加工が必要となりますのでご注意を。
TDMRを横型エンジンに付けるには

スピゴットの変更とラバーホルダーを使用するのはもちろんだが、ダウンドラフトの場合はフレームとの緩衝には特に気を配りたい。実は武川のヘッドとキタコのヘッドでは武川製の方が数ミリ高く、逆に考えれば武川製のインシュレーターを使えば他社製ヘッドではその分TDMRは下げられる。クリアランスの問題を解決するためには、各社のパーツを上手く組み合わせることも検討してください!
ヨシムラ製スロットルワイヤーで取り回しを変更!!

手にしている左側はスタンダードなのだが、それではワイヤーの取り回しが上向きになってしまいワイヤーがタンクに当たりやすくなる。ヨシムラではNSF100用のTMRMJNφ28キャブレターをリリースしており、それに使用されているスロットルワイヤーを固定する部分を流用することで、写真のようにワイヤーの取り回しを前側に変更できるのです!!
純正でも多少はワイヤーの取り回しを変えられる

TMR自体にも取り付け穴が2つ開けられているので、多少なりともワイヤーの取り回し角度を変更できる。TDMRはワイヤーの向きが下過ぎる場合もあるので、その時は位置を変更するとイイ感じにできるかも。
ピークパワーは向上しつつ、扱いやすい!
TMRキャブが登場したのは1994年。今から24年前なので読者の中にはまだ生まれていないという方もいるのではないだろうか。24年たった今、時代はインジェクションに移り変わり、高性能キャブレターとしてリリースされるTMR&TDMRこそが最新式であり、そして今後もこれ以上のものが開発されることもないのではないだろうか…。
もともとはFCRの対抗馬として作られたものなので、FCRの弱点を補っているのは想像に容易い。特徴としてはスロットルバルブの肉薄化やシールリングによるメインボアのスムーズ化。それまでのTMキャブよりも軽量化させた上での加速ポンプの装着。その他にもハイパーノズルの採用やボールベアリングを使用したことで軽くなったスロットルバルブが特徴となっている。高性能キャブレターだけあって各種ジェットはもちろん、ニードルやジェット、バルブなどセッティングパーツが豊富にリリースされており、一度買えば、一生遊べると言っても過言ではないキャブレターの1つではないだろうか。
REAR FRONT


LEFT RIGHT



FCRとの相違点1

通称『Hノズル』と呼ばれるハイパーノズル。これはTMRのために開発された機構で、メインノズルに開けられた吐出開孔部からガソリンを吐出させる仕組みになっている。急なアクセル操作に対してのガソリンの流れの遅れを防いでくれる効果を発揮してくれる。霧化特性にも優れてる。
FCRとの相違点2

TMRのスロットルバルブ摺動部にはボールベアリングを5つ使用している。
FCRでもベアリングが入っているがFCRはボディ側と擦れる構造のため、大事なボディを削ってしまうことも(最悪はボディ交換に…)。TMRでは削れるのはスロットルバルブ側なので、スロットルバルブ交換で済むので経済的
(左)TDMR(ダウンドラフト)、(右)TMR(ホリゾンタル)

↓
あかおぎ鈴木さん

TMRのボディにはスモールとラージの2種類があって、両方ともシングルボディでスモールはφ28、φ32、φ34があり、ラージはφ36とφ40が一般的。マニアックなところではドカティ用のTDMRツインボディをバラして使うなんてこともあります。今回はニードルバルブの受け側のOリングを交換しなければならなくなるのでバラしませんでしたが、オーバーフローを起こすのはそこのOリングが原因だったりしますので、中古品を使用する場合は一度チェックしてみてください。

TMRを横型エンジンに付けるには

大きなTMRを横型エンジンの狭いスペースに装着するときの組み合わせをご紹介。スピゴットはキタコ製のTDMRφ32用(¥3,000/税抜)に変更して、同じくキタコ製のラバーホルダー PWKφ28 TMRφ28/32用(¥2,500/税抜)を使用。そしてGクラフト製の可変マニホールド(¥9,000/税抜)を使用するのがあかおぎ鈴木さんのお勧めです!
TMRをシャリィに付けるには

左がGクラフト製のモンキー用の可変マニホールドで、右側がキタコ製のシャリィ用。キャブレターが大きいだけに、フレームから大きく上に飛び出すような形に取り付けることになる。しかしカスタム好きにはTMRキャブが目立ってそれをむしろ良しとする人は多い。

シャリィの場合はフレームから飛び出すような形で取り付けることになるが、古い車体特有の誤差によってはフロートチャンバーの加速ポンプ側面がフレームに当たる場合も…。その場合はフレーム側を少し叩いて干渉を無くすなりの小加工が必要となりますのでご注意を。
TDMRを横型エンジンに付けるには

スピゴットの変更とラバーホルダーを使用するのはもちろんだが、ダウンドラフトの場合はフレームとの緩衝には特に気を配りたい。実は武川のヘッドとキタコのヘッドでは武川製の方が数ミリ高く、逆に考えれば武川製のインシュレーターを使えば他社製ヘッドではその分TDMRは下げられる。クリアランスの問題を解決するためには、各社のパーツを上手く組み合わせることも検討してください!
ヨシムラ製スロットルワイヤーで取り回しを変更!!

手にしている左側はスタンダードなのだが、それではワイヤーの取り回しが上向きになってしまいワイヤーがタンクに当たりやすくなる。ヨシムラではNSF100用のTMRMJNφ28キャブレターをリリースしており、それに使用されているスロットルワイヤーを固定する部分を流用することで、写真のようにワイヤーの取り回しを前側に変更できるのです!!
純正でも多少はワイヤーの取り回しを変えられる

TMR自体にも取り付け穴が2つ開けられているので、多少なりともワイヤーの取り回し角度を変更できる。TDMRはワイヤーの向きが下過ぎる場合もあるので、その時は位置を変更するとイイ感じにできるかも。